たべものガイド
IBD(炎症性腸疾患)患者さんに外出する楽しみを
シーン別 1日の食事の工夫
満足感のある、楽しい時間に
家族と一緒に楽しむ献立
IBD患者さんには、若い世代の方も多く見られます。食欲旺盛な時期に脂質量の少ない「あっさりサッパリ系の食事」ばかりでは、物足りなさを感じることもあるのでは。
そこで今回は、食べ応えがあって、満足できる朝・昼・晩の献立を、調理の工夫ポイントとともにご紹介します。患者さんも、そのご家族も、同じメニューを楽しみながら食卓を囲めるように。患者さんは「食事に前向きになれる」、ご家族には「日々の献立のヒントになる」
*寛解期を想定したメニューです。
朝食
おしゃれプレートも、工夫次第で食べられる!



献立の工夫ポイント
●カフェのような「ワンプレートごはん」にすると、朝の食卓が華やかに。見た目にも満足感が高くなります。
●クロックムッシュは脂質が低めのフランスパンと低脂肪牛乳でアレンジします。朝食に不足しがちなたんぱく質も補え、食べ応えもしっかり。
●スープもコクのあるトマト系で、満足度がアップ。調理は油を使わずレンジにおまかせで手軽にできます。
昼食
お腹いっぱいになる、簡単・手作り弁当




献立の工夫ポイント
●炊き込みごはんは、一度に色々な食品と栄養が取れておかず代わりにもなります。ツナ缶と塩昆布から出る出汁の旨味たっぷり。ツナは脂質の少ない水煮タイプを使います。
●ソテーは、弱めの火加減で作るとノンオイルでも焦げつきません。味つけは「焼き肉のたれ」だけで決まるからラクラク。
●少なめの油でもじっくり焼けばカリカリホクホクの「大学いも」食感になります。イモは脂質が低く腹持ちもよく、お弁当のボリュームアップにもひと役買ってくれます。
夕食
家族みんなで、おいしく楽しく食卓を囲もう!




献立の工夫ポイント
●脂質の多い市販のルーは使わず、スパイスからつくるので香りのよい本格派。辛味のあるスパイスは使わないので腸に刺激を与えないおなかにやさしいカレーです。
●野菜をごろっと大きめにカットした「ピクルス」はしっかり噛むことで満腹中枢を刺激し食べ応えが増します。
●さっぱりとした甘みの「豆乳ゼリー」は、ふるふるっとした食感。デザートで食事の満足感もアップして、自然と家族との会話も弾みます。
番外編:小腹がすくときに。間食の選び方の工夫
「夕飯まで待ちきれない」「小腹が空いた」というときは、間食を上手に取り入れてみましょう。

●市販のスイーツなら
脂質量の少ないものを選択すれば大丈夫。バターやクリームの多い洋菓子より和菓子のほうが、全体的に脂質が少ない傾向にあります。
例えば、大福、ようかん、だんご(みたらし、あんこ)など。
和菓子以外では、フルーツゼリーなどもおすすめです。
商品に栄養価表記があるときはしっかり確認してみてください。
●ちょっと時間があるときは手作りおやつ
もし、ちょっと時間があるときは自宅で簡単につくれるスイーツも試してはいかがでしょう。市販品では心配な洋風スイーツも脂質控えめにつくれるレシピを紹介します。